「国家試験に合格して、やっと言語聴覚士(ST)になれた!これから頑張るぞ!」 希望に胸を膨らませて臨床現場に飛び込んだはずなのに…
「先輩みたいに、テキパキと評価や訓練ができない…」 「患者さんからの質問に、うまく答えられなかった…」 「分からないことが多すぎるけど、忙しそうな先輩に質問するのが怖い…」 「私のやっているリハビリって、本当にこれで合ってるのかな…?」
日々の業務の中で、そんな風に自信をなくし、不安や焦りを感じていませんか?
周りの同期がどんどん成長しているように見えたり、先輩たちの知識や技術の高さに圧倒されたりして、「私だけ、取り残されているんじゃないか…」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
大丈夫、安心してください。新人時代に自信が持てず、迷いを感じるのは、あなただけではありません。多くの言語聴覚士が、同じような壁にぶつかりながら成長していくのです。
大切なのは、その不安や迷いを放置せず、「成長の糧」に変えていくこと。
この記事では、そんな自信が持てずに悩んでいる新人STのあなたのために、臨床現場で迷わず、着実にスキルアップし、1年後には「頼れるST」へと成長するための具体的な「学習ロードマップ」を提案します。
何から学べばいいのか、どうやって学べばいいのか、そして日々の臨床でどう成長していけばいいのか…その道筋を明確に示し、あなたの不安を解消するお手伝いをします。
この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が具体的な行動計画へと変わり、「よし、明日からこうしてみよう!」と前向きな気持ちで、自信を持って臨床に臨めるようになっているはずです。さあ、迷子の新人から一歩踏み出し、輝く未来への第一歩を一緒に歩み始めましょう!
なぜ自信が持てない?新人STがぶつかる「壁」の正体
「どうして私だけ、こんなにできないんだろう…」そう自分を責めてしまう前に、なぜ自信が持てないのか、その原因を一緒に探ってみませんか? 新人STが臨床現場でぶつかりやすい「壁」には、いくつかの共通点があります。その正体を知ることで、あなたが今抱えている悩みが特別なことではないと分かり、少し心が軽くなるかもしれません。そして、壁を乗り越えるための具体的な対策も見えてきますよ。
圧倒的な知識不足への焦り…「学校で習ったことだけじゃ足りない!」
国家試験のために、たくさんの知識を詰め込んできたはずなのに、いざ臨床現場に出てみると、「あれ?これってどういうことだっけ?」「学校では習ってない!」と感じる場面の連続ではありませんか?
教科書的な知識だけでは太刀打ちできない、実際の患者さんの多様な病態や症状、そして刻々と変化する状況…。先輩たちが当たり前のように使っている専門用語や略語、評価バッテリーの細かい解釈、最新の治療法など、目の前に広がる知識の海に、「自分はなんて無知なんだろう…」と圧倒され、焦りを感じてしまう。これは、多くの新人が経験する最初の壁です。
「もっと勉強しなきゃ!」という気持ちばかりが先走り、何から手をつければいいのか分からなくなってしまう…そんな悪循環に陥っていませんか?
経験不足による判断への不安…「これで本当に合ってる?」
知識があっても、それを実際の患者さんにどう応用すればいいのか、どう判断すればいいのか、経験がなければ迷うのは当然です。
「この評価結果を、どう解釈すればいいんだろう?」 「訓練プログラム、これで効果が出ているのかな?」 「患者さんのこの反応、見逃してはいけないサインなんじゃ…?」 「先輩なら、こういう時どうするんだろう…?」
一つ一つの判断に自信が持てず、常に「これで合ってるのかな?」という不安がつきまとう。自分の判断が、患者さんの状態を左右するかもしれないという責任の重さも感じ、余計に慎重になりすぎてしまったり、逆に思い切ったアプローチができなかったり…。
経験豊富な先輩たちのスムーズな臨床判断を目の当たりにするたびに、「自分にはあんな風にはできない…」と、経験不足を痛感してしまうのかもしれません。

周りと比べて落ち込む気持ち…「同期はできているのに、私だけ…」
特に、同期入社の仲間がいる場合、どうしても自分と比べてしまいがちですよね。
「〇〇さんは、もう難しい症例を任されているのに、私はまだ…」 「△△さんは、先輩ともうまくコミュニケーション取れててすごいな…」 「みんなはどんどん成長しているのに、私だけが置いていかれている気がする…」
人の成長スピードはそれぞれ違うと頭では分かっていても、身近な存在である同期の活躍を見ると、焦りや劣等感を感じてしまう。そして、「自分はSTに向いていないのかもしれない…」なんて、ネガティブな思考に陥ってしまうこともあるかもしれません。
SNSなどで他のSTの活躍ぶりを目にして、さらに落ち込んでしまう…なんて経験もあるのではないでしょうか?
これらの「知識不足」「経験不足」「他者比較」という壁は、新人なら誰しもがぶつかる可能性のあるものです。大切なのは、その壁の前で立ちすくむのではなく、どうやって乗り越えていくかを考えることなのです。
迷いを自信に変える!1年目STのための学習ロードマップ【基礎固め編】
「自信がない原因は分かったけど、じゃあ具体的に何をすればいいの?」そう思ったあなたへ。ここからは、臨床での迷いを減らし、着実に自信をつけていくための具体的な「学習ロードマップ」を提案します。まずは、全ての土台となる「基礎固め」から。焦らず、一歩ずつ進めていきましょう。この基礎がしっかりしていれば、応用力も自然と身についていきますよ。
まずはここから!基礎医学・解剖生理の復習ポイント
臨床現場で出会う様々な疾患や症状を理解するためには、やはり基礎医学(特に解剖学、生理学、神経学)の知識が不可欠です。学生時代に学んだ内容を、もう一度復習することから始めましょう。
- 関連領域を重点的に: 全てを完璧に覚え直す必要はありません。言語聴覚療法に特に関連の深い、脳の構造と機能、神経系の働き、呼吸・発声・嚥下に関わる器官の解剖と生理などを中心に復習しましょう。
- 臨床と結びつける: 単に暗記するのではなく、「この患者さんの症状は、脳のこの部分の損傷が原因かもしれない」「嚥下障害のメカニズムは、この筋肉の動きが関係しているんだな」といったように、実際の臨床場面と結びつけながら理解を深めることが大切です。
- 分かりやすい参考書を活用: 学生時代の教科書だけでなく、図やイラストが多く、臨床に即した解説がされている参考書などを活用するのもおすすめです。
「今さら基礎なんて…」と思わずに、この土台固めが、あなたの臨床推論能力を格段に向上させることに繋がります。
評価バッテリーの習得:目的と解釈を深く理解する
言語聴覚士にとって、「評価」はリハビリテーションの出発点であり、効果測定の指標となる重要なスキルです。様々な評価バッテリーがありますが、まずは基本的なものを確実に習得しましょう。
- 目的を理解する: なぜその評価を行うのか?その評価で何が分かるのか?評価の「目的」を明確に理解することが第一歩です。「先輩に言われたからやる」のではなく、自分で目的意識を持って実施しましょう。
- 実施手順の正確な習得: マニュアルをよく読み込み、正しい手順で実施できるよう、繰り返し練習しましょう。最初は時間がかかっても、正確に行うことが大切です。
- 結果の解釈を学ぶ: 点数だけでなく、その結果が患者さんのどのような能力や課題を示しているのか、深く解釈する力を養いましょう。カットオフ値の意味や、他の評価結果との関連性なども考慮に入れます。先輩に解釈の仕方について質問したり、症例検討会などで学ぶのも有効です。
- 代表的な評価から: SLTA(標準失語症検査)、S-S法(標準構音検査)、MWST(改訂水飲みテスト)、RSST(反復唾液嚥下テスト)、WISC/WAIS(知能検査)など、配属先の領域でよく用いられる代表的な評価バッテリーから、一つずつ着実にマスターしていきましょう。
評価を正しく行い、深く解釈できるようになることで、より的確な訓練プログラムを立案できるようになり、臨床への自信に繋がります。
代表的な疾患の理解:病態とリハビリの基本方針
あなたが関わるであろう代表的な疾患について、その病態(原因、症状、経過など)と、言語聴覚療法における基本的なアプローチや注意点を理解しておくことも重要です。
- 配属先の頻出疾患から: 脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、頭部外傷、神経変性疾患(パーキンソン病、ALSなど)、認知症、発達障害、聴覚障害など、あなたの配属先でよく見られる疾患から優先的に学びましょう。
- 病態生理の理解: なぜその症状が出るのか、疾患のメカニズムを理解することで、リハビリテーションの根拠が明確になります。
- リハビリの基本方針と禁忌: 各疾患に対して、一般的にどのようなリハビリが行われるのか、そして注意すべき点(禁忌事項)は何かを把握しておきましょう。
- ガイドラインや標準的テキストを活用: 各疾患のリハビリテーションに関するガイドラインや、信頼できる標準的なテキストを読むことで、エビデンスに基づいた知識を効率的に学ぶことができます。
疾患への理解が深まることで、患者さんの状態をより多角的に捉え、適切な対応ができるようになります。
カルテ・書類作成の基本:分かりやすく、効率的に書くコツ
臨床業務と並行して、多くの時間を費やすのがカルテや報告書などの書類作成です。「記録が終わらない…」と悩む新人も少なくありません。分かりやすく、かつ効率的に書くための基本的なコツを身につけましょう。
- SOAP形式をマスターする: 多くの医療現場で用いられているSOAP(S:主観的情報, O:客観的情報, A:評価, P:計画)形式での記録に慣れましょう。情報を整理しやすく、他職種にも伝わりやすい記録が書けるようになります。
- 専門用語は適切に、略語は注意して: 専門用語を正しく使うことは重要ですが、多用しすぎると読みにくくなることも。また、職場独自の略語などは、他職種に伝わらない可能性があるので注意が必要です。
- 客観的な事実を具体的に記述する: 「少し改善した」といった曖昧な表現ではなく、「〇〇(評価名)の点数が△点から□点に向上した」「〇〇という発話が聞かれた」など、客観的な事実を具体的に記述することを心がけましょう。
- 要点を絞って簡潔に: ダラダラと長文を書くのではなく、伝えたい要点を絞り、簡潔にまとめる練習をしましょう。箇条書きなどを活用するのも有効です。
- 先輩の記録を参考にする: 上手な先輩のカルテや報告書を読ませてもらい、書き方や表現を参考にさせてもらうのも良い勉強になります。
効率的な書類作成スキルは、残業時間を減らし、他の学習や臨床に時間を充てるためにも重要です。少しずつでも、意識して改善していきましょう。
これらの基礎固めは、一朝一夕にできるものではありません。焦らず、毎日の業務の中で少しずつでも学びを積み重ねていくことが大切です。

実践力を高める!日々の臨床で成長を加速させるコツ
基礎知識をインプットするだけでは、臨床力は向上しません。学んだことを実際の臨床場面で「使ってみる」、そしてその経験から「さらに学ぶ」。このサイクルを回していくことが、成長を加速させる鍵となります。ここでは、日々の業務の中で実践力を高め、迷いを自信に変えていくための具体的なコツを4つご紹介します。意識して取り組めば、あなたの成長スピードは格段にアップするはずです!

予習・復習の習慣化:担当症例から深く学ぶ
目の前の担当患者さんは、あなたにとって最高の「学びの機会」です。一人ひとりの症例と真剣に向き合い、予習と復習を習慣づけることで、知識と経験が有機的に結びついていきます。
- 予習で仮説を立てる: 新しい患者さんを担当する前や、次のリハビリに入る前に、カルテ情報や前回の記録を読み込み、「この患者さんの問題点は何だろう?」「どんな評価や訓練が必要だろうか?」と、自分なりに仮説を立ててみましょう。この「考える」プロセスが重要です。
- リハビリ中の観察と試行錯誤: 予習で立てた仮説をもとに、リハビリを実施します。患者さんの反応を注意深く観察し、「思った通りだ」「いや、ちょっと違うな」と感じながら、その場でアプローチを微調整していく経験が、あなたの臨床判断能力を養います。
- 復習で学びを定着させる: リハビリが終わったら、その日の内容を振り返りましょう。「なぜこのアプローチが有効だったのか?」「うまくいかなかった原因は何か?」「次はどうすれば良いか?」を考え、記録に残します。疑問点があれば、参考書で調べたり、先輩に質問したりして、その日のうちに解消することが理想です。
この予習→実践→復習のサイクルを、毎日の業務の中で意識的に繰り返すことで、一つ一つの症例が、あなたにとって忘れられない深い学びとなるはずです。「忙しくて時間がない…」と思うかもしれませんが、短時間でも良いので、この習慣を続けることが、着実な成長に繋がります。
先輩の「技」を盗む!観察と質問の重要性
あなたの周りにいる経験豊富な先輩STは、知識や技術の宝庫です。その「技」を積極的に学び取りましょう。
- 見学を願い出る: 可能であれば、先輩のリハビリを見学させてもらいましょう。教科書には載っていない、臨床ならではの評価の視点、訓練の工夫、患者さんとの関わり方など、多くの学びがあるはずです。「なぜ、今この声かけをしたんだろう?」「どうして、この課題を選んだんだろう?」と、疑問を持ちながら観察することが大切です。
- 具体的な場面について質問する: 見学した後や、自分が担当している症例で迷った時に、「〇〇さんの△△な状況で、先輩ならどのようにアプローチされますか?」「□□の評価結果を、どのように解釈すれば良いでしょうか?」など、具体的な場面を挙げて質問してみましょう。漠然とした質問よりも、的確なアドバイスが得られやすくなります。
- カンファレンスでの発言に耳を傾ける: チームカンファレンスなどでの先輩の発言は、その思考プロセスや視点を学ぶ絶好の機会です。「なぜ、この目標設定にしたのだろう?」「どんな根拠で、この提案をしているのだろう?」と考えながら聞くことで、臨床推論のヒントが得られます。
「見て学ぶ」「聞いて学ぶ」姿勢を持ち、先輩たちの知恵と経験を吸収していくことで、あなたの臨床の引き出しは格段に増えていきます。

失敗から学ぶ姿勢:振り返りと改善策の考え方
新人時代は、誰だって失敗を経験します。大切なのは、失敗を恐れることではなく、失敗から何を学び、次にどう活かすかです。
- 失敗を客観的に振り返る: 「なぜ失敗したのか?」を感情的にならず、客観的に分析しましょう。「知識が足りなかったのか?」「準備不足だったのか?」「コミュニケーションの取り方に問題があったのか?」など、原因を具体的に特定します。
- 具体的な改善策を考える: 原因が分かったら、「次はどうすれば同じ失敗を防げるか?」という具体的な改善策を考えます。「〇〇の知識を勉強し直す」「事前に〇〇を確認するようにする」「先輩に〇〇について相談する」など、行動レベルに落とし込むことが重要です。
- 上司や先輩に報告・相談する: 失敗は隠さずに、正直に上司や先輩に報告し、アドバイスを求めましょう。あなたの成長を願う先輩なら、きっと適切なサポートをしてくれるはずです。失敗を共有することで、チーム全体の学びにも繋がります。
- 必要以上に落ち込まない: 失敗すれば落ち込むのは当然ですが、引きずりすぎないことも大切です。「失敗は成長のチャンス」と捉え、気持ちを切り替えて次に進む前向きな姿勢を持ちましょう。
失敗を恐れずに挑戦し、その経験から学び続けることが、あなたをより強く、たくましいSTへと成長させてくれます。
小さな「できた!」を大切にする:成功体験の積み重ね
自信をつけるためには、「できた!」という成功体験を積み重ねることが非常に効果的です。どんなに小さなことでも構いません。
- 「昨日よりスムーズに評価ができた!」
- 「患者さんが笑顔で『ありがとう』と言ってくれた!」
- 「先輩に質問したら、分かりやすく教えてもらえた!」
- 「時間内に記録を書き終えることができた!」
こうした日々の小さな「できた!」を意識的に見つけ、自分自身を褒めてあげましょう。「私、ちょっと成長したかも!」という実感は、自己肯定感を高め、次の挑戦へのモチベーションに繋がります。
目標設定をする際も、最初から高すぎる目標ではなく、少し頑張れば達成できる「スモールステップ」で設定するのがおすすめです。一つずつクリアしていく達成感が、あなたの自信を着実に育んでくれます。
日々の臨床の中で、これらのコツを意識して実践することで、あなたは確実に成長し、迷いが自信へと変わっていくのを実感できるはずです。
周囲を味方に!先輩・同僚との上手な関わり方と学び方
臨床での成長は、あなた一人の力だけでは限界があります。周りの先輩や同僚、他職種の方々との良好な関係を築き、彼らから多くを学び、サポートを得ることが、成長を加速させるための重要な鍵となります。「人間関係がちょっと苦手…」「質問するのが怖い…」そんなあなたも大丈夫。ここでは、周囲を味方につけ、効果的に学びを得るためのコミュニケーションのコツをお伝えします。

質問上手になる!タイミングと聞き方の工夫
「分からないことを聞くのは恥ずかしい…」「忙しそうな先輩に声をかけにくい…」新人STにとって、「質問する」ことのハードルは意外と高いものですよね。でも、分からないことをそのままにしておくのが一番良くありません。質問上手になるための、ちょっとした工夫を身につけましょう。
- タイミングを見計らう: 先輩が忙しそうにしている時や、急いでいる時は避けましょう。比較的時間に余裕がありそうな時(休憩時間、業務終了間際など)を見計らって、「今、少しよろしいでしょうか?」と声をかける配慮が大切です。
- まずは自分で調べてから: 何も調べずに「分かりません」と聞くのではなく、「〇〇について調べてみたのですが、△△の部分がよく分かりませんでした。教えていただけますか?」というように、自分でどこまで考えたのかを伝えると、先輩もアドバイスしやすくなりますし、あなたの学習意欲も伝わります。
- 質問内容を具体的に: 「失語症について教えてください」といった漠然とした質問ではなく、「〇〇(患者さん)の失語症について、△△(評価結果)から□□と考えたのですが、この解釈で合っていますでしょうか?」など、具体的に質問内容を絞りましょう。
- メモを取り、お礼を忘れずに: 教えてもらったことはメモを取り、後で必ず見返しましょう。そして、「お忙しいところ、ありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝えることを忘れずに。これが、次の質問をしやすくする潤滑油になります。
質問は、あなたの成長のための大切なアクションです。少し勇気を出して、聞き方の工夫を意識してみてくださいね。
「報連相」の徹底:チーム医療の基本を身につける
報告・連絡・相談、いわゆる「報連相」は、チームで安全かつ効果的な医療を提供するための基本中の基本です。新人時代にこの習慣をしっかり身につけることが、信頼されるSTへの第一歩となります。
- 報告(伝えるべきこと): 担当患者さんの状態変化、リハビリの進捗状況、実施した評価の結果、何か問題が発生した場合など、チームで共有すべき情報を、適切なタイミングで上司や先輩、関係者に報告します。「これくらい、言わなくてもいいかな?」と自分で判断せず、迷ったら報告する習慣をつけましょう。
- 連絡(知らせるべきこと): カンファレンスの日程変更、患者さんの急な予定変更、自分が休みを取る場合など、関係者に影響がある情報を、漏れなく迅速に連絡します。伝達漏れは、大きなトラブルに繋がりかねません。
- 相談(迷ったら聞く): 臨床での判断に迷った時、業務の進め方で分からないことがある時、何か困ったことが起きた時など、一人で抱え込まずに上司や先輩に相談しましょう。早めに相談することで、問題が大きくなる前に対処できます。
「報連相」を徹底することは、あなた自身を守ることにも繋がります。チームの一員としての責任感を持ち、こまめな情報共有を心がけましょう。
フィードバックを素直に受け止める:成長への近道
先輩や上司から、あなたの仕事ぶりに対してフィードバック(評価やアドバイス)をもらう機会があるでしょう。時には、厳しい指摘を受けることもあるかもしれません。しかし、そのフィードバックを素直に受け止め、成長の糧とする姿勢が非常に重要です。
- まずは感謝の気持ちで聞く: フィードバックは、あなたに関心を持ち、成長を願ってくれているからこそもらえるものです。まずは「ご指摘ありがとうございます」と、感謝の気持ちを持って耳を傾けましょう。
- 感情的にならず、内容を理解しようとする: 指摘された内容に、すぐに反論したり、言い訳したりしたくなる気持ちは分かりますが、ぐっとこらえて、まずは「なぜ、そう指摘されたのか?」を冷静に理解しようと努めましょう。具体的な内容や理由を確認することも大切です。
- 改善点と捉え、行動に移す: フィードバックされた内容を、自分自身の課題として捉え、「次はどう改善していこうか」と考え、具体的な行動に移しましょう。指摘された点を改善しようと努力する姿は、必ず周りの人に伝わります。
- ポジティブなフィードバックも大切にする: 褒められたり、良い評価を受けたりした時も、「ありがとうございます。励みになります!」と素直に喜び、自信に繋げましょう。
フィードバックは、あなたが自分では気づけない視点や、成長のためのヒントを与えてくれる貴重な機会です。耳の痛い話もあるかもしれませんが、それを乗り越えることで、あなたは確実に成長できます。
今の環境で学びきれないと感じたら?次のステップを考える視点
一生懸命努力し、周りのサポートも得ながら学んでいるけれど、「どうしても今の環境では、自分が望むような成長ができないかもしれない…」「もっと〇〇の分野を深く学びたいけど、ここでは機会が少ない…」と感じ始めることもあるかもしれません。
それは、あなたが成長し、新たな目標が見えてきた証拠でもあります。
もし、あなたが今の職場で「学びきれない」「成長の限界を感じる」と感じ始めたら、それは**次のステップ、例えば新しい環境(転職)**を考えるタイミングなのかもしれません。
- 自分が何を学びたいのか、どんな経験を積みたいのかを明確にする。
- 今の職場で、それが実現可能かどうかを客観的に評価する。
- もし難しいと感じるなら、それが実現できる環境を探し始める。
そんな時、一人で悩まずに、キャリアの専門家に相談してみるのも有効な手段です。
リハビリ職のキャリアに詳しいアドバイザーなら、
- あなたが「学びきれない」と感じている理由や、次に目指したい方向性を整理する手伝いをしてくれます。
- あなたが望むスキルアップや経験が積めるような、教育体制が充実した職場や、特定の分野に強みを持つ施設などの求人情報を紹介してくれます(非公開求人も含む)。
- あなたのキャリアプラン全体を見据えて、長期的な視点でのアドバイスをくれます。
今の環境で全力を尽くすことは大切ですが、同時に、より成長できる環境を求めるという視点を持つことも、あなたのキャリアを豊かにするためには必要です。無料相談などを活用して、客観的な意見を聞き、視野を広げてみることをお勧めします。

迷子の新人から頼れるSTへ!未来への自信を育むために
言語聴覚士としてのキャリアをスタートさせたばかりのあなた。今はまだ、自信が持てずに迷ったり、不安になったりすることの方が多いかもしれません。でも、それは誰もが通る道であり、あなたが成長している証拠でもあります。
この記事でお伝えした「学習ロードマップ」を参考に、
- まずは基礎を固め(知識・評価・疾患・書類作成)
- 日々の臨床で実践力を高め(予習復習・観察・失敗からの学び・成功体験)
- 周囲を味方につけ、効果的に学ぶ(質問・報連相・フィードバック)
というステップを、焦らず、一つずつ着実に進んでいってください。
分からないことがあれば、勇気を出して質問する。 失敗しても、そこから学び、次に活かす。 そして、どんなに小さな「できた!」でも、自分を褒めてあげる。
その積み重ねが、あなたの知識となり、経験となり、そして何より、揺るぎない「自信」へと変わっていきます。
そして、もし今の環境に限界を感じ、さらなる成長を求めるようになったなら、キャリアの専門家に相談し、新しい可能性を探るという選択肢も、あなたの未来を明るく照らす道となるでしょう。
迷子の新人だったあなたが、1年後、あるいは数年後、患者さんやご家族から、そして同僚や後輩から、「〇〇さんがいてくれてよかった」と頼られる存在になっている姿を想像してみてください。きっと、ワクワクしてきませんか?
未来への自信は、日々の小さな一歩の積み重ねによって育まれます。焦らず、あなたらしく、着実に成長していきましょう。あなたの輝かしい未来を、心から応援しています!