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【ST辞めたいと感じるあなたへ】燃え尽きサイン?心を軽くするセルフケアと対処法5選

「もう、なんだか疲れちゃったな…」 「あんなにやりたかった仕事なのに、最近、朝起きるのがツラい…」 「いっそのこと、ST辞めちゃおうかな…」

言語聴覚士(ST)という専門職に誇りを持ち、日々、患者さんのために誠実に向き合っているあなた。その情熱とは裏腹に、ふとした瞬間に、そんな風に「辞めたい」という気持ちが心をよぎることはありませんか?

高い専門性が求められ、人の人生に深く関わる責任の重い仕事だからこそ、知らず知らずのうちに心や体に負担が蓄積し、まるでロウソクの火が消えるように、心が燃え尽きそうになってしまう…。それは、決して特別なことではありません。頑張り屋さんで、責任感の強いあなただからこそ、陥りやすい状態なのかもしれません。

「ただ疲れているだけだよね?」 「私が弱いだけなのかな…?」 「こんな気持ち、誰にも言えない…」

そんな風に自分を誤魔化したり、一人で抱え込んだりしていませんか?

この記事では、そんな「辞めたい」と感じるほど心が疲れてしまっているあなたが、これ以上自分を追い詰めないために、まずは自分の心の状態を知るための「燃え尽き(バーンアウト)のサイン」をチェックし、そして、限界を感じる前に心を軽くするための具体的な「セルフケア」と「対処法」を、分かりやすくお伝えしていきます。

この記事を読み終える頃には、あなたの心のSOSに気づき、自分自身を大切にするための具体的な方法が見つかるはずです。「私だけじゃなかったんだ」「こうすれば、少し楽になれるかも」と、肩の荷が少し下り、前向きな気持ちを取り戻すきっかけになることを願っています。さあ、あなたの心を大切にするための時間、一緒に始めましょう。

目次

なぜ「辞めたい」?STが燃え尽きを感じる瞬間

「あんなに憧れてなったSTなのに、どうしてこんなに辞めたい気持ちになるんだろう…」毎日一生懸命頑張っているのに、ふと心が折れそうになる瞬間、あなたにもきっと心当たりがあるはずです。その辛い気持ちの背景には、言語聴覚士という仕事ならではの、特有のプレッシャーや構造的な問題が隠れているのかもしれません。まずは、あなたが「燃え尽き」を感じてしまう原因を探ることから始めましょう。

終わらない業務とプレッシャー…責任感と疲労の蓄積

言語聴覚士の仕事は、患者さんの機能回復やQOL向上に直結する、非常に責任の重い仕事です。その責任感が、あなたを突き動かす原動力であると同時に、大きなプレッシャーにもなり得ます。

  • 多岐にわたる業務: リハビリテーションの実施だけでなく、評価、記録、計画書作成、カンファレンス、多職種連携、家族対応、勉強会…と、やるべきことは山積みです。「どれだけ時間があっても足りない!」と感じることはありませんか?
  • 時間外労働の常態化: 終わらない業務をこなすために、残業が当たり前になったり、家に仕事を持ち帰ったりすることが習慣化していませんか?十分な休息が取れず、慢性的な疲労が蓄積していきます。
  • 成果へのプレッシャー: 「もっと良くならなければ」「期待に応えなければ」というプレッシャーを感じ、思うような成果が出ないと、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
  • 人手不足: 職場によっては、少ない人数で多くの患者さんを担当しなければならず、一人ひとりの業務負担が過重になっているケースもあります。

この「責任感」と「終わらない業務」、「慢性的な疲労」の連鎖が、あなたの心を少しずつすり減らしていくのです。

理想と現実のギャップ…「もっとできるはずなのに」という無力感

「患者さんのために、もっとこんなリハビリをしてあげたい!」 「もっと時間をかけて、じっくり話を聞いてあげたい!」

あなたはきっと、高い理想と情熱を持って、この仕事に就いたはずです。しかし、臨床現場の現実は、必ずしも理想通りにはいかないことも多いですよね。

  • 時間の制約: 一人の患者さんにかけられる時間には限りがあり、「もっとやりたいこと」があっても、諦めざるを得ない場面はありませんか?
  • 制度の壁: 診療報酬や介護報酬の制度上、できることや評価されることに限界があり、「本当はもっと必要な支援があるのに…」と感じることもあるかもしれません。
  • 思うように改善しない現実: 一生懸命リハビリをしても、患者さんの状態がなかなか改善しなかったり、時には悪化してしまったりすることも。そんな時、「自分の力が足りないせいだ…」と無力感に苛まれてしまうこともあるでしょう。
  • 理想の職場とのギャップ: 教育体制が整っていなかったり、チーム連携がうまくいっていなかったりと、自分が思い描いていた理想の職場環境とのギャップに、がっかりしてしまうこともあるかもしれません。

この「理想」と「現実」のギャップが大きければ大きいほど、「こんなはずじゃなかった…」という失望感や無力感が募り、仕事への意欲を失わせてしまうのです。

人間関係のストレス…チームや利用者との板挟み

どんな職場でも人間関係の悩みはつきものですが、医療・福祉の現場では、様々な立場の人と関わるため、そのストレスも複雑になりがちです。

  • 多職種連携の難しさ: 医師、看護師、PT、OTなど、専門性や考え方の違うスタッフとの間で、意見の対立やコミュニケーション不足から、ストレスを感じることはありませんか?(前々回の記事「多職種連携が苦手なSTへ」も参照)
  • 上司や同僚との関係: 指導の厳しさ、価値観の違い、コミュニケーションのすれ違いなど、身近なスタッフとの関係に悩むこともありますよね。
  • 利用者さん・ご家族との関係: コミュニケーションが難しい利用者さんへの対応、ご家族からの過度な期待やクレームなど、利用者さんサイドとの関係構築に、精神的に疲弊してしまうことも少なくありません。(前回の記事「利用者との関係に悩むSTへ」も参照)
  • 板挟みの辛さ: 患者さんの意向と家族の意向の間、現場の意見と上層部の指示の間など、様々な「板挟み」の状況で、調整役として苦労することも多いでしょう。

これらの人間関係のストレスが積み重なると、「もう、人と関わるのが辛い…」と感じ、職場に行くこと自体が憂鬱になってしまうのです。

報われないと感じる努力…給与や評価への不満

「こんなに頑張っているのに、なんでお給料はこれだけなんだろう…」 「私のこの専門性、もっと評価されてもいいはずなのに…」

言語聴覚士の仕事は、高い専門性が求められる一方で、その努力や成果が、必ずしも給与や評価といった目に見える形で報われるとは限らない、という現実もあります。(記事No.9「お給料を上げたいSTへ」も参照)

  • 給与水準への不満: 他の専門職や、異業種の友人と比較して、給与水準が低いと感じ、将来への経済的な不安を抱える。
  • 評価制度への疑問: 昇給の基準や、人事評価の方法が不明確で、「何を頑張れば評価されるのか分からない」と感じる。
  • 努力が認められないと感じる: 難しい症例を担当したり、業務改善に貢献したりしても、それが正当に評価されず、やりがいを搾取されているように感じてしまう。

自分の頑張りが正当に評価されず、「報われない」という感情が続くと、仕事へのモチベーションは大きく低下し、「こんなに頑張っても意味がないなら、辞めたい」という気持ちに繋がってしまうのです。

これらの要因が、一つ、また一つと重なり合うことで、あなたの心は知らず知らずのうちに疲弊し、「燃え尽き」へと向かってしまうのかもしれません。

もしかしてバーンアウト?危険なサインを見逃さないで

「最近、なんだかやる気が出ないな…」「疲れが取れない…」それは、単なる一時的な疲れでしょうか? もしかしたら、あなたの心が発している「SOSサイン」、つまり**「燃え尽き症候群(バーンアウト)」**の初期症状かもしれません。「まだ大丈夫」「気のせいだ」と見過ごしてしまうと、気づいた時には深刻な状態になっていることも…。ここでは、バーンアウトの危険なサインを「心」「体」「行動」の3つの側面からチェックしてみましょう。もし、当てはまる項目が多いと感じたら、それは決して見過ごしてはいけないサインです。

心の変化:意欲低下、イライラ、無感動…感情の枯渇

バーンアウトの最も特徴的なサインは、感情的なエネルギーが枯渇してしまうことです。以前は情熱を持って取り組んでいたことに対して、心が動かなくなってきます。

  • 仕事への意欲・関心の低下: 「朝、仕事に行くのが異常に億劫」「患者さんのこと、前ほど考えられなくなった」「新しい知識を学ぼうという気持ちが起きない」
  • 達成感の喪失: 仕事で成果を上げても、以前のような喜びや達成感を感じられない。「何をやっても、どうせ無駄だ」と感じてしまう。
  • イライラ・怒りっぽくなる: 些細なことでイライラしたり、同僚や利用者さんに対して攻撃的な態度をとってしまったりする。感情のコントロールが難しくなる。
  • 共感能力の低下・無感動: 利用者さんの辛い状況を見ても、以前のように感情移入できなくなったり、周りの出来事に対して無関心になったりする。「心が麻痺している」ような感覚。
  • 絶望感・無力感: 「自分には何もできない」「もうどうにもならない」といった、強い絶望感や無力感に襲われる。

以前のあなたと比べて、こうした感情の変化を感じることはありませんか?

体の変化:不眠、食欲不振、頭痛、倦怠感…身体からの悲鳴

心のエネルギーが枯渇すると、それは身体的な不調としても現れてきます。体は正直です。あなたの心が限界に近いことを、様々なサインで伝えようとしているのかもしれません。

  • 睡眠障害: 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、寝ても疲れが取れない。
  • 食欲の変化: 食欲が全くない、あるいは逆に過食に走ってしまう。
  • 原因不明の身体症状: 頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、胃痛、便秘や下痢、肩こり、腰痛など、特に原因が見当たらないのに、身体のあちこちに不調が現れる。
  • 慢性的な疲労感・倦怠感: 十分な睡眠をとっても、常に体がだるい、重いと感じる。朝から疲れている。
  • 免疫力の低下: 風邪をひきやすくなったり、治りにくくなったりする。口内炎やヘルペスができやすくなる。

これらの身体的なサインは、ストレスや過労による自律神経の乱れなどが原因と考えられます。「たかが体調不良」と軽視せず、身体からの悲鳴にも耳を傾けることが大切です。

行動の変化:仕事への遅刻・欠勤、ミス増加、他者への無関心

心と体の変化は、やがて具体的な行動にも影響を及ぼし始めます。自分では気づきにくいかもしれませんが、周りから見て「あれ?」と思われるような変化が現れていないでしょうか。

  • 仕事に関する行動:
    • 遅刻や欠勤が増える。
    • 仕事の能率が著しく低下する。ケアレスミスが増える。
    • 報告・連絡・相談を怠るようになる。
    • 仕事に必要な準備を怠ったり、後回しにしたりする。
  • 他者との関わりに関する行動:
    • 同僚との会話を避けるようになる。休憩時間なども一人で過ごすことが増える。
    • 利用者さんやご家族に対して、投げやりな態度をとってしまう。
    • 周りの人の気持ちや状況に、以前ほど配慮できなくなる。
  • 私生活に関する行動:
    • 身だしなみに気を使わなくなる。
    • 好きだった趣味にも興味を示さなくなる。
    • 友人や家族との交流を避けるようになる。

これらの行動の変化は、バーンアウトが進行している可能性を示す重要なサインです。もし、あなた自身や、周りの同僚にこのような変化が見られたら、注意が必要です。

これらのサインに複数当てはまる場合は、単なる疲れではなく、バーンアウトの可能性も考えられます。決して自分を責めず、できるだけ早く適切な対処をとることが重要です。

限界を感じる前に!心を軽くするセルフケア5選

「もしかして、私、燃え尽きかけてるかも…」そう感じたとしても、絶望する必要はありません。まだ間に合います。心が完全に燃え尽きてしまう前に、あなた自身を大切にし、心をケアするための具体的な方法があります。ここでは、今日からすぐに始められる、心を軽くするための5つのセルフケアをご紹介します。難しく考える必要はありません。できそうなことから、一つずつ試してみてくださいね。

意識的な休息と睡眠:脳と体をしっかり休ませる

忙しい毎日の中で、つい削ってしまいがちなのが「休息」と「睡眠」の時間。しかし、心と体のエネルギーを回復させるためには、これが最も重要です。

  • 質の高い睡眠を確保する:
    • 寝る前の習慣を見直す: 寝る直前のスマホやPCの使用は避け、カフェイン摂取も控えめに。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、温かい飲み物を飲む、軽いストレッチをするなど、リラックスできる習慣を取り入れましょう。
    • 寝室環境を整える: 遮光カーテンで光を遮断する、自分に合った寝具(枕やマットレス)を使う、快適な温度・湿度を保つなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
    • 決まった時間に寝起きする: 休日も平日と同じ時間に寝起きするなど、体内時計を整えることを意識しましょう。
  • 意識的に休息時間を取る:
    • 仕事中の短い休憩: 忙しくても、5分でも良いので、意識的に席を立って伸びをしたり、窓の外を眺めたり、深呼吸したりする時間を作りましょう。
    • 休日はしっかり休む: 休日に仕事のことを考えるのは極力避け、心身ともにリラックスできる時間を確保しましょう。「何もしない」時間も大切です。

「休むことも仕事のうち」。罪悪感を感じずに、しっかりと休息を取り、脳と体を回復させることを最優先に考えましょう。

好きなことに没頭する時間:仕事から離れてリフレッシュ

仕事のことばかり考えていると、視野が狭くなり、ストレスも溜まってしまいます。意識的に仕事とは全く関係のない、「好きなこと」や「楽しいこと」に没頭する時間を作りましょう。

  • 趣味を楽しむ: 音楽を聴く、映画を見る、本を読む、絵を描く、手芸をする、ガーデニングをする、スポーツをする…あなたが心から「楽しい!」と思えることに時間を使いましょう。
  • 新しいことに挑戦してみる: 以前から興味があったこと(料理教室、ヨガ、語学など)に、思い切って挑戦してみるのも良い気分転換になります。
  • 自然に触れる: 公園を散歩したり、山や海へ出かけたり、自然の中で過ごす時間は、心を癒し、リフレッシュさせる効果があります。
  • 美味しいものを食べる: 好きなものを、ゆっくり味わって食べる時間も、ささやかな幸せとエネルギーを与えてくれます。

ポイントは、「仕事のことは一切考えない」と決めて、その時間を心から楽しむこと。そうすることで、頭が切り替わり、ストレスが軽減され、また仕事に向かうエネルギーが湧いてくるはずです。

軽い運動や自然との触れ合い:心身のバランスを整える

ストレスを感じている時、私たちの体は緊張状態にあります。軽い運動を取り入れたり、自然と触れ合ったりすることは、心と体のバランスを整え、リフレッシュするのに非常に効果的です。

  • 軽い運動:
    • ウォーキング・散歩: 気軽に始められ、気分転換にもなります。少し遠回りして帰る、一駅分歩くなど、日常に取り入れやすい方法でOKです。
    • ストレッチ・ヨガ: 体の緊張をほぐし、深い呼吸を促すことで、リラックス効果が得られます。寝る前などに行うのもおすすめです。
    • 好きなスポーツ: 無理のない範囲で、楽しめるスポーツを定期的に行うのも良いでしょう。
  • 自然との触れ合い:
    • 日光浴: 朝日を浴びると、セロトニンという幸せホルモンが分泌されやすくなり、気分が安定します。
    • 公園や緑の多い場所へ行く: 緑には心を癒す効果があると言われています。深呼吸しながら、ゆっくりと過ごしてみましょう。
    • 植物を育てる: ベランダや室内で、小さな植物を育てるのも、癒しに繋がります。

激しい運動である必要はありません。自分が「気持ちいい」と感じる程度の軽い運動や、自然に触れる時間を意識的に作ることで、心身の緊張が和らぎ、前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。

完璧主義を手放す:「まあ、いっか」の魔法

「ちゃんとやらなきゃ」「完璧じゃなきゃダメだ」…その真面目さや責任感は、あなたの素晴らしい長所ですが、時には自分自身を苦しめてしまう原因にもなります。少しだけ、完璧主義を手放して、「まあ、いっか」と許せる心を持つ練習をしてみませんか?

  • 100点満点を目指さない: 常に100点を目指すのではなく、「今日は80点でもOK」「まずは60点を目指そう」といったように、目標のハードルを少し下げてみましょう。
  • 優先順位をつける: 全ての業務を完璧にこなそうとするのではなく、「これは絶対に重要」「これは少し手を抜いても大丈夫」といったように、優先順位をつけ、力を入れるべきところと、そうでないところを見極めましょう。
  • 「できないこと」も受け入れる: 人には誰にでも、得意なことと苦手なことがあります。「これは苦手だから、他の人に助けてもらおう」「今の私には、ここまでの対応が限界だ」と、自分の限界を認め、できないことを受け入れる勇気も大切です。
  • 自分を許す: 失敗したり、うまくいかなかったりした時に、「私のせいだ…」と過度に自分を責めるのではなく、「今回は仕方なかった」「次、頑張ればいいや」「まあ、いっか!」と、自分を許してあげる言葉をかけてあげましょう。

完璧じゃなくても、あなたは十分に頑張っています。少し肩の力を抜いて、「まあ、いっか」と呟いてみるだけで、心がふっと軽くなるのを感じられるはずです。

自分の感情を書き出すジャーナリング:気持ちの整理と客観視

モヤモヤした気持ちや、言葉にならないストレスを抱えている時、**自分の感情を紙に書き出す「ジャーナリング」**は、心を整理し、客観的に自分を見つめ直すための有効な方法です。

  • 書き出す内容は何でもOK: 今感じていること(嬉しい、悲しい、腹が立つ、不安など)、今日あった出来事、頭の中で考えていることなど、誰に見せるわけでもないので、思いつくままに自由に書き出してみましょう。
  • 正直な気持ちを書く: 「こんなこと書いちゃダメかな…」などと検閲せず、自分の正直な気持ちをそのまま書き出すことが大切です。ネガティブな感情も、書き出すことで少しスッキリすることがあります。
  • 時間を決めて書く: 毎日5分でも10分でも良いので、時間を決めて書く習慣をつけると良いでしょう。寝る前などがおすすめです。
  • 読み返してみる(必須ではない): 書き出したものを後で読み返してみると、「私、こんなことで悩んでいたんだな」「こう考えれば、少し楽になるかも」といった、客観的な気づきが得られることがあります。(読み返すのが辛い場合は、無理に読み返す必要はありません)

頭の中でぐるぐると考え続けているだけでは、なかなか整理がつかないことも、書き出すことで視覚化され、問題点や自分の感情のパターンが見えやすくなります。ノートとペンさえあれば、いつでもどこでも始められる手軽なセルフケアです。

これらのセルフケアは、特効薬ではありませんが、続けることで確実にあなたの心を支え、守ってくれるはずです。自分に合った方法を見つけて、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてくださいね。

それでも辛い時は…一人で抱え込まないための相談先

セルフケアを試してみても、どうしても気持ちが晴れなかったり、辛い状況が変わらなかったりすることもあります。「もう、自分一人の力ではどうにもならないかもしれない…」そんな風に限界を感じたら、絶対に一人で抱え込まないでください。あなたをサポートしてくれる人や場所は、必ずあります。ここでは、辛い時に頼れる相談先についてご紹介します。助けを求めることは、決して弱いことではありません。むしろ、自分を守るための賢明な選択なのです。

信頼できる友人や家族に話を聞いてもらう

まずは、あなたのことをよく理解し、心から心配してくれる身近な存在に、今の辛い気持ちを打ち明けてみませんか?

  • 話すだけで楽になることも: 誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理されたり、少しスッキリしたりすることがあります。アドバイスを求めるというより、「ただ聞いてほしい」とお願いするのも良いでしょう。
  • 客観的な意見をもらえる: あなたのことをよく知る友人や家族だからこそ、あなた自身では気づかない視点や、客観的な意見をくれるかもしれません。
  • 精神的な支えになる: 「あなたの味方だよ」「いつでも話を聞くよ」と言ってくれる存在がいるだけで、孤独感が和らぎ、心の支えになります。

ただし、相談相手によっては、心配するあまりに過度に干渉してきたり、価値観を押し付けてきたりすることもあるかもしれません。誰に、どこまで話すかは、相手との関係性を考慮して慎重に選びましょう。

職場の同僚や先輩(信頼できる人)に相談する

同じ職場で働く同僚や先輩の中にも、あなたの気持ちを理解し、力になってくれる人がいるかもしれません。

  • 共感を得やすい: 同じSTとして、あるいは同じ職場で働く仲間として、あなたの抱える悩みやストレスに共感し、理解を示してくれる可能性が高いです。「私も同じような経験があるよ」といった言葉に、救われることもあるでしょう。
  • 具体的なアドバイスがもらえる: 職場の内部事情に詳しいため、「あの業務は、こうすれば効率化できるよ」「〇〇先生には、こう相談してみたら?」といった、具体的で実践的なアドバイスをもらえるかもしれません。
  • 一緒に改善策を考えてくれる: もし、職場の環境やシステムそのものに問題がある場合、一人ではなく、信頼できる同僚や先輩と一緒に、改善策を考えて上司に提案する、といった動きに繋がる可能性もあります。

ただし、職場の人に相談する場合は、相手を慎重に選ぶことが非常に重要です。口が堅く、あなたの立場を理解してくれる、本当に信頼できる相手を選びましょう。また、愚痴や不満ばかりにならないように、建設的な相談を心がけることも大切です。

【重要】専門家(カウンセラー、キャリアアドバイザー)を頼る視点

友人や家族、同僚に相談しても解決しない、あるいは、そもそも身近な人には話しにくい…という場合は、**守秘義務のある「専門家」**の力を借りることを強くお勧めします。

  • 臨床心理士・公認心理師などのカウンセラー:
    • あなたの辛い気持ちに寄り添い、専門的な知識に基づいて、心の整理やストレス対処法などを一緒に考えてくれます。
    • バーンアウトが深刻化し、うつ病などの精神疾患が疑われる場合は、適切な医療機関への受診を勧めてくれることもあります。
    • 職場の相談室や、地域の相談窓口、あるいは個人で開業しているカウンセリングルームなどで相談できます。(費用がかかる場合が多いですが、公的な窓口は無料の場合もあります)
  • 産業医・保健師: 職場の産業医や保健師は、従業員の心身の健康を守る専門家です。労働環境に関する問題や、健康上の不安について相談することができます。
  • キャリアコンサルタント・キャリアアドバイザー:
    • 「辞めたい」という気持ちの背景に、現在の職場環境や働き方への不満が大きく関わっている場合、キャリアの専門家に相談するのは非常に有効な手段です。
    • 彼らは、あなたのスキルや経験、価値観を客観的に評価し、今後のキャリアプランについて一緒に考えてくれます。
    • もし、今の職場環境そのものが、あなたの負担の大きな原因になっていると感じるなら、「より自分らしく、心身ともに健康に働ける環境を探してみる」というのも、根本的な解決策の一つです。
    • 特に、言語聴覚士のようなリハビリ職の働き方に詳しいキャリアアドバイザーなら、あなたの状況や気持ちを深く理解した上で、「残業が少ない職場」「人間関係が良いと評判の職場」「教育体制が整っていて、安心して働ける職場」など、あなたの希望に合った具体的な選択肢(一般には公開されていない非公開求人も含む)を提示してくれます。
    • **「転職するかどうかは決めていないけど、他の可能性も知りたい」「今の自分の市場価値を知りたい」**といった段階での相談も、もちろん可能です。多くの場合、無料で相談できるので、視野を広げ、客観的な情報を得るためにも、気軽に活用してみることを強くお勧めします。それだけでも、気持ちが整理され、楽になることがありますよ。

辛い時、苦しい時、あなたは決して一人ではありません。頼れる人や場所は必ずあります。勇気を出して、SOSを発信することをためらわないでください。

自分を大切に、STとして輝き続けるために

言語聴覚士という仕事は、大きなやりがいと共に、時に心をすり減らすほどのプレッシャーや困難も伴います。「辞めたい」と感じるほど辛い気持ちになるのは、あなたが不真面目だからでも、弱いからでもありません。それは、あなたが真剣に仕事に向き合い、一生懸命頑張ってきた証拠なのです。

大切なのは、その心のSOSに気づき、**「自分自身を大切にする」**という視点を忘れないこと。

この記事でお伝えした、

  • 燃え尽きのサインに気づくこと。
  • 意識的な休息や、好きなことに没頭する時間を作るなどのセルフケアを実践すること。
  • 完璧主義を手放し、「まあ、いっか」と自分を許すこと。
  • そして、どうしても辛い時は、一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に助けを求めること。

これらのステップを通して、あなたはきっと、心のバランスを取り戻し、再び前を向く力を得ることができるはずです。

自分自身を大切にし、心身ともに健康でいること。それが、結果的に患者さんへのより良い支援にも繋がり、言語聴覚士として長く、そして輝き続けるための土台となります。

そして、もし今の環境がどうしてもあなたを苦しめるのであれば、より自分らしく、安心して働ける場所を探すという選択肢も、あなたの未来を明るくする勇気ある一歩です。そんな時も、キャリアの専門家があなたの強い味方になってくれることを、どうか覚えておいてくださいね。

あなたは一人ではありません。 自分を大切に、そして、あなたのペースで。 あなたが言語聴覚士として、心からの笑顔で働き続けられることを、心から応援しています。

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